サルでもわかるプロが教える美味しいパンの作り方! 油脂編
パンに油脂が入っているレシピが多く、一部のフランスパンなどには入ってませんが。ほとんどのパンには入ってます。
油脂は何種類かあって使うものによって味や風味が全然違ってきます。
基本的には常温に置いて、指で押してすぐつぶれる柔らかさで使用していきます。
夏などの気温が高いときは冷蔵庫で冷やして使うこともあります。仕込む前に冷蔵庫から出して置いてください。冷えすぎてると生地と混ざりません。生地の温度を上げないためです。
油脂の種類
無塩バター・有塩バター・マーガリン・コンパウンドマーガリン・ショートニング・ラードなどの常温で固形の物を脂肪と言います。
サラダ油・オリーブ油・ゴマ油などの常温で液状の物を油と言います。
ほとんどパンは固形状の油脂を使って作ります。固形状の油脂じゃないとパンを作っている時に混ざりません。液状だと生地が滑ってしまっていつまでも混ざりません。
油脂の使い分け
バター
パン作りに一番の組み合わせです。風味。味において最高の組み合わせです。
最近は無塩バターの値段が高いので贅沢になってしまいました。有塩バターを使う場合はバターに含まれている塩分の量を計算して、生地に入れる分を減らしてください。
焼成するとアミノ‐カルボニル反応が起こり、香ばしいバター独特の風味が生まれます。
マーガリン
バターの代わりに開発されたもので値段もバターよりも安く風味もバターに近いため使いやすくなってます。
最近のパン屋さんはコンパウンドマーガリンってものを使ってます。これはバターとマーガリンが混ざって入ってます。商品によって割合が違ってます。コンパウンドマーガリンの方がバター感が強いです。
ショートニング
ショートニングは100%の油脂で水分や乳成分が入ってません。味もないです。なのでパンに使っても風味などがつくことはありません。特徴としては歯切れがよくなりサクっとした食感が生まれます。これはショートニング特有のショートニング性によるものです。この特性はクッキーなどのお菓子にも使われています。
基本的には単体で使うよりはバターと一緒に生地に練り込みます。バターで風味を追加してショートニングで歯切れを良くしてます。
その他
油と呼ばれる常温で液体のものは生地の練り込みの途中で入れるのでなく、最初から水と一緒に入れます。途中から入れると生地と油が滑って混ざりません。
油脂の役割
製パンにおける油脂の効果は
・パンのボリュームアップ
・焼き上がり後の柔らかさを保持する
・内相がキメ細やかになる
・歯切れや口触りに違いが出る
このように油脂から得られる効果はたくさんあります。
油脂が得られる効果はたくさんありますが、たくさん入れると作業性が低下します。普通の食パンやバターロールは油脂の配合は5~15%くらいなのですが、ブリオッシュなどは50%も入るパンもあります。
生地を冷凍保存する生地は油脂や砂糖がたくさん入ってるリッチな配合のパンが向いてます。
まとめ
常温で固形なのを脂肪といい、常温で液体を油といい。
油脂の種類を使い分けることによって、パンに独特の味や風味を出すことが出来ます。
たくさん油脂を入れると作業性が低下します。しかしリッチな配合は冷凍保存に向いてます。
油脂の特性を生かして美味しいパンを作っていきましょう。